ウジェーヌ・ドラクロワ《聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち》

ウジェーヌ・ドラクロワ(Eugène Delacroix 1798-1863)について

≪聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち≫
Disciples and Saint Women Holding the Corpse of St.Stephano 1860年 油彩、板にカルトン張りつけ 41×33.2cm

フランスの19世紀ロマン主義を代表する画家。ドラマチックな画面構成と華麗な色彩表現は、後の画家たちに大きな影響を与えた。新古典派の画家ゲランに学び、また、ルーベンスやヴェロネーゼの影響を受ける。1822年サロン(官展)に《ダンテの小舟》を出品し、24歳にして高い評価を受け国家に買上げられる。1824年には《キオス島の虐殺》をサロンに出品。ギリシャ独立戦争での、トルコ人に抵抗したギリシャ人が虐殺された実際の事件を題材にしたこの作品は、賛否両論を巻き起こし、「絵画の虐殺」との批判も受けたが、作品は政府買上げとなり、現在はルーブル美術館に所蔵されている。また、1830年の七月革命の際には、《民衆を導く自由の女神》を描いている。若くして注目を浴びる作品を次々と発表し、33歳でレジオン・ドヌール勲章を授章。ルーブル美術館やパリ市庁舎など、公的機関の大建築の装飾や壁画を数多く手掛けている。

《聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち》について

初期キリスト教時代の聖人であるステパノの生涯は、新約聖書の「使徒行伝」に記されているが、エルサレムのユダヤ法院で説教を行い、キリストを処刑した人々の頑迷をとがめたため、石で打ち殺されたキリスト教の最初の殉教者。古くから多くの画人によって描かれた場面であるが、色彩や光による劇的な描写にはドラクロワの特徴が現れている。
本作品は文化庁に登録美術品として登録され、より多くの皆様にご覧いただくため、埼玉県立近代美術館の常設展示にて公開しています。公開スケジュールはこちらをご覧ください。

≪聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち≫

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!